近代の先進諸国における、法的な「婚姻」とは、「一夫一婦制」を前提にしています。
一人の男性に、一人の女性という結びつきでの結婚形態です。
それは必ずしも歴史的にも全世界的に普遍的な婚姻制度ではありません。
一夫多妻制、一妻多夫制、集団婚もありえるし、実際に行われた地域、歴史もあります。
一夫多妻制は、一人の男性が複数の女性と婚姻関係を持つ形態です。
現代のとくに先進諸国にはありませんが、前近代においては、ほぼ世界的に存在していたといわれます。
現在でも、世界の後進地域、中東のイスラム社会などには制度として現存します。
また、アメリカ合衆国のモルモン教徒も近年までは、一夫多妻制を採用していました。
イスラム教の一夫多妻制は、イスラム教の公式見解によれば聖戦によって男性が戦死する可能性が高かったため、未亡人や遺児の生活を保障するために始められたとされています。複数の妻が持てるのは経済的な余裕のある男性に限られるという背景はあります。
一般的に、一夫多妻制は社会的な男性による女性支配差別の根幹になる、前近代的な制度と考えられています。
一妻多夫制は、一人の女性が複数の男性と婚姻関係を持つ形態です。
現在この結婚制度を正式に法的に採用している国はありませんが、チベットなどで妻が複数の兄弟を夫とする慣習があります。
集団婚は、複数の男性と複数の女性が婚姻関係を持つ形態です。
社会進化論が唱えられていた19世紀、私有財産制度以前の原始社会で行われていたのではないかと想定されていました。
最近の文化人類学や考古学、進化生物学からは、実際にはその存在が疑問視されるとされています。
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